2022年03月26日更新
不知火町長崎の昔ばなし 大智禅師と饅頭
イラスト 村上明日香
あらすじ
曹洞宗の僧、大智禅師は鎌倉時代、長崎村(現在の不知火町長崎)に生誕。幼名を萬仲(まんじゅう)といい、7歳で大慈禅寺(熊本市南区)の寒巌禅師の門に入りました。
対面した寒巌が萬仲に問います。「名は何というか。」「萬仲と申します。」「いくつになるか。」「七つでございます。」出された饅頭(まんじゅう)を食べる萬仲に「萬仲が饅頭を食う、どんな気持ちか。」すると、「大蛇が小蛇をのむ気持ちでございます。」と答えました。
感心した寒巌がさらに緑川を指さし「舟を止めてみせよ。」と言うと、萬仲は障子を閉め、寒巌が「座ったままやってみせよ。」と言えば、目を瞑ってみせます。
寒巌が「小智慧がある。入門したら小智(しょうち)と名乗れ。」と言うと、「いやです。小智では悟れませぬ。」と答える萬仲。寒巌は笑い、大智と名付けたとさ。
小智は菩提の妨げ(しょうちは ぼだいの さまたげ)
小智がある者は、かえってそれが妨げになり、悟りを開くことができないという意味のことわざ。