2022年03月26日更新
松橋の昔ばなし めでたいがこぼれるまでに
あらすじ
松橋の太郎次どんの話。
商売を休むと食べていけない太郎次どんは、正月も宇土で商い中。すると、ある屋敷から大声が…。耳を
澄ますと、お膳の縁が外れて、料理を落とした奥さんを侍のご主人が叱っている様子。侍にとって縁は扶持(給料)を表し、縁起が悪いと腹を立てるご主人ですがわざとではないと気の毒に思った太郎次どん。庭へ飛び込み、「怒るのは当然ですが、こぎゃん縁起のよかこつはございません」と、一首詠み始めました。
「めで鯛がこぼるるまでに扶持とれて年のはじめにお家ばんざい」
すると、ご主人の機嫌もすっかり直って一段落。太郎次どんは振舞酒の杯を重ね、思いがけず良い正月を過ごしましたとさ。