2022年01月25日更新
三角町郡浦の昔ばなし 郡浦の雨乞い太鼓
イラスト 村上明日香
あらすじ
郡浦(こうのうら)に勘九郎という爺さんがいました。ある日、林に雷が落ちたので見に行ってみると、小
太鼓を10個ほどつないだひもを握った男の子が倒れていました。頭には小さな角。放っておけず連れて帰り、ゴロオと名付けかわいがりました。
祭りの日、ご馳走が準備できない爺さんのために、ゴロオは「意地悪には雷ば落とすばい」と太鼓を鳴らしました。すると、おすそ分けを持った人たちが続々とやってきて、二人は良い祭りを過ごすことができました。
しかし、雲の上からそれを聞いていたゴロオの父が、ゴロオを連れ帰ります。お礼にゴロオの太鼓を置き、鳴らせばいつでも雨を降らせると約束して・・・。
翌年、村が日照りに困り果てていると、爺さんはこの太鼓を配り、総出で村を練り歩きました。すると約束通り雨が降り、稲がよみがえったではありませんか。それから、この小さな太鼓はゴロオの雨ごい太鼓と呼ば
れ、日照りのたびに叩くことで雨には困らなかったそうな。