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令和5年施政方針

2023年03月15日更新

1.はじめに

  令和5年第1回宇城市議会定例会の開会に当たり、施政方針を申し上げます。
  令和4年、世界経済は新型コロナウイルス感染症からの景気回復を受けて各種需要が一気に拡大しました。
日本国内でも、原材料価格の高騰や原油高、記録的円安を背景にした物価高騰に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、資源・エネルギー、食料品も高騰しています。
  市では昨年、国による支援策と併せて、市の独自事業として、新型コロナウイルス感染症並びに物価高騰により低迷する市内経済の活性化と家計・事業者支援の両面から、2度のプレミアム付き商品券事業による経済対策を大胆に行いました。
  令和5年度も、第2次宇城市総合計画に掲げる将来都市像「ちょうどいい!住みやすさを実感できる都市(まち)・宇城」を目標に、市民の皆様に「住んで良かった」と感じていただけるよう、市民目線で事業を展開して参ります。
 加えて、第2期宇城市まち・ひと・しごと総合戦略に掲げる、市の理念を象徴するフレーズ「UKINISUM(ウキニスム)」を展開し、市外在住者に向け、「子育てするなら宇城市」と実感して頂ける施策や、宇城市に「集う」「暮らす」「活躍する」関係人口を創出する取り組みを実施して参ります。
  さらに、世界最大手の半導体企業「TSMC」の新工場稼働を見据え、半導体関連のみならず、幅広い企業誘致に取り組み、新たな雇用の創出から人口流出の抑止、世帯、人口の増加といった好循環を目指します。

2.日本経済と国政の動向

  内閣府の令和5年1月の月例経済報告によれば、「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している。」とされており、ウイズコロナの下での各種政策の効果もあり、持ち直しが期待されています。しかし、世界的な金融引き締めが続く中、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクを抱えており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
  同様に、九州経済産業局の九州経済の基調判断によると、九州の景気も緩やかに持ち直しているとされており、個人消費は持ち直し、雇用は改善しているものの、一部に厳しさがみられる状況にあります。
  このような情勢の中、国の令和5年度予算は、「経済財政運営と改革の基本方針2022及び2021」に基づき、経済・財政一体改革の着実な推進を行う一方、重要な政策の選択肢を狭めず、歳出全般にわたって施策の優先順位を洗い直し、かつ無駄を徹底して排除し、予算の中身を大胆に重点化するとされています。
  具体的には、新しい資本主義の実現に向け、人への投資、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップへの投資、GXへの投資及びDXへの投資への予算の重点化を進めるとともに、エネルギーや食料を含めた経済安全保障を徹底し、重要な政策について「重要政策推進枠」の措置がなされております。
  これに加えて、年頭の首相施政方針演説では、新しく発足する「こども家庭庁」の下で、6月に策定される骨太の方針までに、将来的なこども・子育て予算倍増の大枠が提示されることが表明されました。
  地方財政対策の主なものとしては、地方交付税の総額が令和4年度を上回る18.4兆円確保されており、また、地域のデジタル化の推進費として、「デジタル田園都市国家構想事業費」が創設され、そのメニューの一つである「地域デジタル社会推進費」の事業期間が延長されるとともに、マイナンバーカード利活用特別分として、500億円が積み増しされます。さらに、地域の炭素化の推進費として「脱炭素化推進事業費」及び「脱炭素化推進事業債」が創設されます。


3.令和5年度市政運営の基本方針

  本市の財政状況は、経常収支比率は依然として高い水準にあり、財政の硬直化が懸念されるものの、民営化の推進や施設の統廃合、滞納整理強化などの行財政改革の取り組みの成果が出ています。これにより財政調整基金等を徐々に増資でき、財政健全化判断比率の指標は健全段階に位置しており、他の類似団体と比較しても遜色ない良好な状況です。
  令和5年度一般会計の収支見通しは、歳入面で人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響等により市税等が減収する見込みであるため、地方交付税や市債などにさらに依存するとともに、財政調整基金を一定程度取り崩し予算編成する状況です。
  歳出面では、社会保障関係費の増大や、デジタル関係経費及び公債費の増嵩により、経常収支比率は高い水準を見込んでいます。さらに、教育施設の改築、宇城広域連合エネルギー回収型処理施設の改築、道路・橋梁などの社会資本の長寿命化や維持管理、防災・減災・国土強靭化に要する費用、情報システムの再構築などの実施により、厳しい財政運営を予想しています。
  そのような中にあっても、第2次総合計画に掲げるまちづくりの基本目標に基づき、限られた財源を最大限に有効活用することは勿論のこと、デジタルの力や多様な地域資源も最大限に活用し、国営緊急農地再編整備事業や市道大野川リバーサイドロード線整備事業、松橋駅西・小川駅西の開発事業など、重点施策事業と位置付けた事業に注力するとともに、デジタル技術や民間活力を活用した行財政改革に取り組み、学校の改築事業や給食費の無料化、子ども医療費助成の対象年齢拡大など、市の将来を担う子どもたちに関する分野には特に傾注して参ります。
  目指すのは、「住んで良かった」「住みたい」と思えるまちです。この実現に向け、本年度も精一杯、皆様と共に取り組みを進めて参ります。

4.令和5年度重点施策

(1)「再生・発展する」まちづくり

  熊本地震発災から約7年が経過しようとしている中、市民生活を最優先とした復旧・復興から取り組み、昨年復興の総仕上げとして本庁舎の改修工事が完了いたしました。防災機能の強化、省エネ化に加え証明書発行や公金の支払いにデジタル技術を活用し、より市民の利便性が高い庁舎へと生まれ変わりました。
  令和5年度からは、「安心・安全なまちづくり」の視点を踏まえつつ、「再生・発展する」分野は以下5つの基本目標を横断的な取り組みとして位置づけます。

(2)「育てる」まちづくり

  国は過去最低と見込まれる出生数の反転に向け、次元が異なる少子化対策に舵を切り、子ども予算を将来的に倍増させる方針を示しています。子どもは「地域の宝」であり、市の将来を担う大切な人財です。
  市としても子育て支援には真摯に向き合うと共に、子育て・教育の支援制度・環境・施設の充実は、定住人口の増加にもつながることから、「子育てするなら宇城市」を念頭に、重点的に取り組んで参ります。

具体的には、

  • 高校3年生まで拡充した子ども医療の助成費
  • 保育所等の施設整備事業費
  • 保育所等の副食費無償化事業費
  • 小川中学校建て替え事業費
  • 松橋中学校建て替え事業費

    などを計上しております。

(3)「住み続ける」まちづくり

  全ての市民に「ちょうどいい!住みやすさ」を実感して頂くため、医療・福祉、健康、環境については引き続き充実を図り、将来にわたり安全で安心して住み続けられる環境の整備を図って参ります。

具体的には、

  • さしより野菜推進事業費
  • 定期予防接種業務委託費
  • 宇城広域連合環境再生センター費

    などを計上しております。

 

  また、これまで68年に渡り地域医療に貢献してきた宇城市民病院の運営を、本年から宇城総合病院を運営する黎明会様にお任せすることになりました。これまでも、様々な行政サービスの分野で民間のサービス力を活かした市民満足度の向上に努めており、今回も、熊本県地域医療拠点病院であり、災害拠点病院でもある黎明会宇城総合病院様に大変期待するところであります。

(4)「持続する」まちづくり

  人口減少、少子高齢化、インフラの老朽化などの社会構造の変化へ対応するため、好循環する経済を生み出し、都市機能を維持向上するための社会基盤の整備が必要です。加えてTSMCの進出による経済効果を最大限享受出来るよう土地の有効利用策の検討を始め、農業と共存しながら稼ぐ力を引き出す経済・産業政策の実現を目指します。
  また、引き続き行財政改革を進めるとともに、業務改革、意識改革に取り組み、市民目線に立った、時代の潮流に負けない行財政運営を行います。

具体的には、

  • 農業次世代人材投資、新規就農者育成事業費
  • 国営緊急農地再編整備事業費
  • 市道大野川リバーサイドロード線整備事業費
  • 松橋駅西周辺開発整備基本構想策定業務費

    などを計上しております。

(5)「選ばれる」まちづくり

  宇城市は、総人口は減少しているものの、一昨年から転出者より転入者が多くなる社会増に転じています。推測される要因として、継続したシティプロモーション事業、不知火美術館・図書館リニューアルなどによる子育て世帯に向けた政策実現の効果、空き家バンクの積極的なPRなどが挙げられます。また、移住・定住だけでなく、企業の進出も増加し、大幅な投資が見込まれています。この良い流れを最大化するための取り組みを引き続き強化して参ります。

具体的には、

  • シティプロモーション事業費
  • 企業誘致関係補助金
  • 産業用地適地調査業務委託費

    などを計上しております。

(6)「活躍する」まちづくり

  市民一人ひとりが主体となったまちづくりを推進するとともに、男女共同参画社会の実現やスポーツによる地域の活性化、市民の皆様の生涯にわたる学びの機会の創出のため、誰もが自由に学べる環境を整えて参ります。
  昨年4月にリニューアルオープンした不知火美術館・図書館では、行政が関与せずとも、市民が主体となった様々なイベントが企画され、市内外から多くの来場者を集めています。まさしく市民が主体となるモデルケースであり、そうした環境を作ることで新たなまちづくりの形が見えてまいりました。今後も、市民が楽しく集え、活躍出来る事業の創出を検討して参ります。

具体的には、

  • 男女共同参画社会関係費
  • 図書館・美術館指定管理業務、企画展開催費
  • 不知火グラウンド照明取り替え費
  • ふれあいスポーツセンター観覧席設置費
  • eスポーツ拠点施設整備費

    などを計上しております。

おわりに

  新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響による経済活動の停滞、少子高齢化の進行、就労形態の変化、人々の価値観の多様化など、社会を取り巻く環境は大きく変化し続けています。
市としては、新たに求められるニーズに的確に対応しながら、これまで育んできた、教育、子育て、医療、健康、スポーツ、まちづくりなどの魅力を一層深化させていくことが必要です。
  市が直面する課題が複雑化・多様化していく中、従来の行政の在り方を絶えず見直していくことが求められており、改革にあたっては断腸の思いで決断を行っております。
  ただ、すべては市の持続的発展のためです。市民から市のかじ取りを付託された責任の重みを胸に、今後も重点事業をはじめ、取り組みを強化すべき施策を大胆かつ慎重に市職員と共に一丸となり推進して参ります。改めて、市民の皆様並びに市議会議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

                                                  令和5年2月14日

宇城市長   守田憲史

お問い合わせ

宇城市 市長政策部 市長政策課

電話番号:
0964-32-1803

追加情報:アクセシビリティチェック

アクセシビリティチェック済み

このページは宇城市独自の基準に基づいたアクセシビリティチェックを実施しています。

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