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令和3年所信表明

2022年01月26日更新

1.はじめに

 令和3年第1回宇城市議会定例会の開会にあたり、4年間の所信の一端を申し述べさせていただく機会をいただき、大変ありがとうございます。石川議長をはじめ、市議会議員の皆様には、厚く御礼申し上げます。
 私は、前の市長選挙におきまして、市民の皆様から厳粛なるご信託を受けて、引き続き市長として3期目の舵取りを任せていただくこととなりましたことを大変光栄に思っております。
 その課せられた使命と責任の重さを痛感するとともに、市民の皆様の大きな期待と信頼に応えられるよう、ふるさと宇城市の再生と発展のために全力を傾注していく所存であります。
 改めまして、市民の皆様並びに市議会議員各位のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

2.「2期8年間を振り返って」

 平成25年2月27日、初めて宇城市長に就任させて頂き、早いもので、2期8年が経過いたしました。この間、皆様方からの多大なるお力添えをいただきながら、市政運営に取り組んでまいりました。
 ここに改めて、衷心より感謝を申し上げます。
 さて、これまでを振り返りますと、まずは継続事業として取り組んで参りました

  • 豊野小・中一貫校の開校
  • 宇城氷川スマートインターチェンジの開通
  • 松橋駅の整備
  • 戸馳大橋の架け替え
  • 長崎久具線の開通


という宇城市の五大プロジェクトの全てを着実に実施、完遂できたことを述べさせていただきます。
 そして何より、平成28年に起きました熊本地震と集中豪雨からの早期復旧・復興を、「第2次宇城市総合計画」に基づいた「宇城市復興まちづくり計画」により実施するとともに、復旧・復興と併せて実施する今後の観光地域づくりや新都市形成等を目指した「宇城市復興グランドデザイン」を策定し、中・長期的視点に立った重点プロジェクトの将来像を具体化しました。
 この間、「いざ、復興へ。市民の生活、最優先」という公約を合言葉に全身全霊を傾けて取り組み、目に見える復興を成し遂げて参りました。
 また、合併後16年が経過し、地方交付税の減少や少子高齢化に伴う人口減少、大規模自然災害の多発、さらには新型コロナウイルス感染症など、行政を取り巻く環境は、幅広く多様な課題が山積している中、スクラップ・アンド・ビルドによる公共施設の統廃合や民間活力の導入、事務事業の見直しなどの行財政改革により、市の財務状況は確実に改善しています。
 その結果、昨年来の新型コロナウイルス感染症対策のための大型財政出動が可能となりました。
 本日付けの熊本日日新聞に、県内市町村の財政調整基金の状況に関する記事が掲載されていましたが、報道のとおり、宇城市の財政は健全です。
 新型コロナウイルス感染症の脅威は、まだまだ鎮静化することはありませんが、そのような中であっても、市民の皆様がこの先もずっと安心して快適な暮らしができる「住みやすさを実感できるまち・宇城」実現のため、これまでの多くの成果を礎として、さらに厳しさを増す行政経営に対して、地方都市のパイオニアとなるべく、覚悟を持って誠心誠意、全力で市政運営に取り組んで参ります。

3.わが国の情勢

 国全体を見渡しますと、わが国の経済は、2012年11月を景気の谷として、それ以降、緩やかな回復を続けてきました。就業や雇用の状況は、人口減少の影響もあり、64歳以下の男性就業者数はほぼ横ばいとなっている一方で、労働参加率は上昇しており、64歳以下の女性就業者数の継続的増加が見て取れます。また、65歳以上では、男女ともに就業者数は増加が続いています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響は深刻化を増し、景気は急速に悪化していることから、当面は、感染拡大防止と経済の支援に力点を置いた政策が求められているところです。
 また、年金・介護・医療などの社会保障制度改革は、急速な人口減少と超少子高齢化を抱えるわが国が、今後も安心して暮らせる国であるために、全世代で支える制度構築が望まれています。
 さらに、全国各地でこれまでの想定を超える大規模な自然災害が相次いで発生しており、かつ、首都直下型地震や南海トラフ地震など、今後30年以内の発生確率が70%を超え、大きな被害が予想される地震が想定される中、防災・減災対策が急務です。
 地方としても、わが国が直面する様々な課題を土壌とし、今後取り組むべき課題や、時代の求めに応じた施策を見定め、着実に実施することが求められています。
 今回の選挙に際して、私は原点に立ち還り、「『可能性への追求』市民生活を最優先」を掲げました。
 そこで、今後の市政運営に当たって、横断的なキーワードとなる6つの基本目標を述べさせていただきます。

4.基本目標

(1)「再生・発展する」まちづくり

 平成28年4月に発生した「熊本地震」と、同年6月に発生した「集中豪雨」による被害は甚大なものであり、すぐさま被災者の生活再建支援や住宅確保を第一に取り組んでまいりました。その結果、災害公営住宅の建設により仮設住宅入居者は解消され、また防災の拠点施設として、市民の皆様の心の拠り所となる6か所の防災拠点センターが供用開始となり、被災者の心のケアと生活再建支援の窓口である地域支え合いセンターも閉所となるなど、復旧・復興は一つの区切りを迎えることが出来ました。
 今後は、アフターコロナを見据えた生活基盤、社会基盤、産業基盤の再生と発展に取り組みます。
 具体的には、

  • 本庁舎大規模改修に併せた市民対話型窓口の設置とワンストップサービスの充実
  • 宇城広域連合南消防署三角分署の人員体制の充実
  • 光通信システム情報網の整備拡充と在宅勤務やネットワークビジネスによる地場産業の経営基盤整備
  • 公共料金等のキャッシュレス化の推進
  • AIやIoTなどのロボットを活用したSociety5.0による未来都市の実現
  • 行政手続きのオンライン化


に取り組みます。
 特に、行政のデジタル化は、国が進める「自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画」に則り、情報システムの標準化、行政手続のオンライン化を進めるものであり、住民の皆さんの手続きに係る負担の軽減という面は勿論、市役所の業務改革・働き方改革の側面も併せ持つものです。

(2)「育てる」まちづくり

 全国的な少子化の中、子どもは「地域の宝」であり、各地方公共団体が競って子育て世代への支援を行っております。このような中、宇城市の支援策は、他の自治体と比較しても遜色のないレベルの手厚いものとなっています。
 今後も、3歳未満の保育料低額化と第3子以降の保育料の無償化、3歳以上の副食費の無償化や、待機児童対策に取り組むとともに、中学校3年生までの医療費負担を継続いたします。
 また、次世代育成の拠点となり、幅広い世代が気軽に利用できる児童館や、子育てに関するワンストップサービスを提供するセンターなど、子育てに関する総合的な拠点整備に取り組みます。
 一方、熊本地震により甚大な被害を受けた市内小学校・中学校のうち、不知火小学校と小川中学校は建て替えを行います。また、建て替えを行わない学校も、現代の生活スタイルに合わせたトイレの洋式化を行います。さらに、新給食センターの供用を開始し、新衛生基準を満たしたセンター食を無料で提供します。
 学習面では、特別支援教育支援員の充実、外国語指導助手の増員、民間活力による英語学習の強化、全児童・生徒へのタブレット配付によるカリキュラムの充実と自宅学習環境の整備を行い、宇城市の将来を担う子どもたちの教育環境整備に取り組みます。
 将来の宇城市を担う大切な財産である子どものため、「子育てするなら宇城市」と思っていただけるようなまちづくりを進めます。

(3)「住み続ける」まちづくり

 少子高齢化や食の欧米化が進む中、宇城市においても医療費や介護費が年々増加しており、財政を大きく圧迫しています。
 このまま医療費や介護費が増加し続けることは、市政の他の分野に更なる影響を及ぼしていくことが懸念されます。
 そこで、市民の皆様が健康で生きがいをもって暮らせるための予防・防止策に力を入れ、少しでも経費を縮減できるような取り組みを実施します。具体的には、従来型の対処療法ではなく、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを確立し、多角的な支援体制を整えます。加えて、生涯スポーツや文化活動を推進し、皆様が住み慣れた地域で生き生きと暮らすことができるよう支援します。
 また、障がい者福祉の充実につきましては、社会福祉協議会等と連携し、障がい者の日常生活及び社会生活を総合的にサポートするための自立支援事業を充実していきます。
 さらに、市民の皆様の健康づくりについて、さしより野菜・たっぷり野菜事業を拡充し、生活習慣病を未然に防ぐことによる医療費の縮減に取り組むとともに、病気の早期発見・早期治療につなげられるよう、各種健診の充実強化や、受診しやすい環境の醸成と受診率の向上に努めながら、皆様の健康増進を推進してまいります。
 特に、目下に迫っている新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種については、市内2つの医師会と連携し、皆様に混乱を与えない予防接種を着実に実施し、感染リスクの減少に努めます。ワクチン接種の後も、コロナ克服を目指し、国と連携した対策を実施して参ります。
 ひとが住み続けるためには、生活環境も重要な要素です。宇城広域連合が行う新設クリーンセンター建設に合わせ、廃棄物減量化とリサイクルを今以上に推進し、住環境整備に取り組みます。

(4)「持続する」まちづくり

 まちが存続するためには、産業や経済、災害に強い都市構造が求められます。そして、まずは行政自身が持続可能なスタイルである必要があります。
 地方交付税が一本算定により減少する現在、適正課税や未収金対策に取り組むとともに、維持管理費等の見直しによる経常経費の抑制に努めます。
 さらに、行財政改革の大きな柱である公共施設の再編や民間委託を引き続き推進するとともに、「市役所改革プラン」に基づく業務改革・意識改革に取り組み、行政のさらなる効率化やスリム化を強力に進めてまいります。
 また、産業振興についても課題が山積しており、若年層の流出を食い止める良質な雇用を創出するための抜本的な対策を行うことが必要です。企業の誘致は勿論のこと、既存企業における雇用の機会拡大のため、市を挙げた支援を行い、地域全体で地場産業の稼ぐ力を高める施策を講じて参ります。
 さて、宇城市の基幹産業であります農業に目を向けますと、農業従事者の高齢化が顕著であります。その結果、農業生産を行わない農地の荒廃が止まりません。農業を持続可能なものとするためには、農地の適正管理を行っていくための担い手の確保が課題となっています。そのためには、「稼ぐ農業」を推進し、農家所得の向上を図るため、地域を牽引する農家への重点的な支援を通じて、市の農業全体の底上げを進めてまいります。
 農業基盤を整備することで農家の規模拡大につながり、農業所得の向上が期待されます。農地の大区画化や汎用化及び湛水被害の解消に必要な農業用排水施設の一体的な整備のため、また、担い手への農地集積・集約化のため引き続き国営及び県営圃場整備事業に取り組みます。土地利用型作物と施設園芸団地等のゾーニング、施設野菜の高品質化と畑作物の導入促進による収益性の高い農業経営は、稼げる農業の実現に繋がると確信しております。
 中でも国営圃場整備事業については、昨年、農林水産省の出先機関として宇城事業所が開所され、着々と事業が前進していることろです。
 基盤の整備ということで考えると、都市機能の充実も急務であります。昨年開通した長崎久具線は、多くの方からその利便性の良さを評価いただきました。この後は、長崎久具線の効果をさらに積み増しするため、また市内中心部の道路ネットワーク整備による機能強化のため、大野川リバーサイドロード線の整備に取り組みます。
 なお、近年多発する豪雨災害に強い都市構造するには、国営圃場整備事業による農業用排水施設だけでは市内の浸水被害を防ぐことができないため、市内3か所の雨水ポンプ場の整備などの冠水対策事業を実施します。

(5)「選ばれる」まちづくり

 宇城市は地理的・社会的な環境に恵まれ、他の自治体と比べ生活の利便性が整っているにも関わらず、残念ながら人口は減少しています。
 自然減を除けば、市内中心部は微増もしくは微減である一方で、その周辺部は市外への流出が多くなっており、市全体として人口流出を抑制するためには、中心部がダム機能を果たすことが必要となります。
 市内人口の偏在については、どこでも住み続けられる仕組みづくりが急務だと考えています。いわゆる過疎地でも持続可能な仕組みが出来れば、宇城市が先例となり、全国に発信できるような中心的役割を担うこととなり、移住者の増加の一助となると思います。
 市外からの移住・定住者から、住んでみたい、住んで良かったと評価されるような「ちょうどいい!住みやすさを実感できる都市(まち)」のため、宇城市の知名度・注目度を上げ、ブランド力向上のため、シティープロモーション事業を継続するとともに、市民と行政が一体となってまちづくりに取り組み、魅力あふれる未来都市を目指して環境整備を続けて参ります。
 また、世界文化遺産である三角西港や昨年復活を果たした金桁温泉など、市内の豊富な観光資源を活用した交流人口の増加による地元の経済効果につながる施策を展開します。
 特に三角については、従来から国会議員の皆様、県議会議員のお二人、そして市議会議員の皆様の「チーム宇城」として要望活動を実施しておりました熊本天草幹線道路の宇土から三角間について、2月18日、その整備ルートが宇土半島南側に新設されることとなりました。ルート内には、宇城市内に3つのインターチェンジの設置が予定されています。さらに、2月26日には、国土交通省より令和3年度新規事業化に向けた手続きに着手する旨の発表がありました。
 事業費700億円を超える巨額の国費が投入されるこの大型事業を、三角の観光・定住の起爆剤とすべく、開通までの間に準備を進めて参ります。

(6)「活躍する」まちづくり

 市民が活躍するまちの実現のためには、すべての男性と女性がお互いを対等なパートナーとして認め、人権を尊重し、ともに協力していくまちづくりが必要です。市、市民、事業者などがワーク・ライフ・バランスへの配慮・働き方改革に努め、みんなが子育てしやすい環境整備を推進し、女性が活躍し、より働きやすい環境づくりを目指して参ります。
 また、ウイングまつばせの大規模改修やふれあいスポーツセンターの人工芝張替え事業、図書館・美術館の指定管理者制度活用による民間活力の導入により、文化・スポーツ活動の振興・充実を行います。
 さらに、公共施設予約システムを導入し、施設利用を促進するとともに利便性を向上させ、施設整備との相乗効果を狙います。
 他方、新たな活躍の場として、通信制高等学校を誘致し、高等教育の充実とスポーツ環境の充実を狙います。

おわりに

 心機一転、新しいスタートではありますが、私の市政に対する情熱は、8年前に市長に就任した時といささかも変わるものではございません。
 市民の皆様の暮らしを守り、「住んで良かった」「子育てするなら宇城市」と皆様が実感でき、宇城市の次代を担う子どもたちが「ふるさと宇城市に住み続けたい」と思えるような「笑顔あふれる」まちを理想とし、市民の皆様の声にしっかりと耳を傾け、「開かれた市政」と「市民のための市役所」を推進して参ります。
 向こう4年間、今まで以上の覚悟をもって、市政という潮流を止めることなく必ず目的を達成して参ります。
 先ほど、6つの基本目標を述べさせていただきましたが、中でも「コロナの克服」「教育のまちづくり」「Society5.0社会の実現」は、特に注力して取り組みたいと思っております。
改めて、市民の皆様並びに市議会議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げて、私の所信表明といたします。

          令和3年3月2日

                                 宇城市長 守田憲史

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宇城市 総務部 総務課 秘書係

電話番号:
0964-32-1798

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