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令和4年施政方針

2022年04月15日更新

1.はじめに

 令和4年第1回宇城市議会定例会の開会に当たり、施政方針を申し上げます。
 令和元年12月、中国湖北省武漢市における肺炎の集団発生に端を発した新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に全世界へと拡がり、翌令和2年1月16日には日本国内第1例目の感染者が確認されました。国は同年1月28日、感染症法に基づく「指定感染症」及び検疫法に基づく「検疫感染症」に指定しました。
 以来、現在に至るまでの2年を超える期間、感染症への対応や低迷する景気、経済への対応に国を挙げて対策が行われてきました。
 この間、市では令和2年2月1日に対策本部を立ち上げ、国及び県に連動した対策に加え、市の独自事業として、影響を受けた事業者支援と2度のプレミアム付き商品券事業による経済対策を大胆に行いました。
 一方で、熊本地震から約6年が経過しようとしている中、復旧・復興は一つの区切りを迎え、応急仮設住宅の利活用事業も大詰めとなっております。既に不知火ゆうあい館、小川刈萱(かるかや)館、コスモス会館、豊野ふれあい館の4つがそれぞれ供用を開始しており、本年度中には、三角の復興会館と交番、松合の多目的集会所が竣工する予定です。
 令和4年度も、第2次宇城市総合計画に掲げる将来都市像「ちょうどいい!住みやすさを実感できる都市(まち)・宇城」を市民の皆様に感じていただけるよう、様々な事業を展開して参ります。
 加えて、第2期宇城市まち・ひと・しごと総合戦略に掲げる、市の理念を象徴するフレーズ「UKINISUM(ウキニスム)」を展開し、市外在住者に向け、宇城市に「集う」「暮らす」「活躍する」関係人口を創出する取り組みを実施して参ります。

2.日本経済と国政の動向

 内閣府の令和4年1月の経済報告によれば、景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きがみられるとの基調判断がなされており、先行きについても、下振れリスクに十分注意する必要はあるものの、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しが期待されています。
 一方、九州地域の経済動向によると、九州の景気は持ち直しの動きに弱さがみられるとされており、個人消費と雇用情勢には明るい兆しがあるものの、製造業を中心に予断を許さない状況にあります。
 このような情勢の中、国の令和4年度予算は、「経済財政運営と改革の基本方針2021及び2018」で示された「新経済・財政再生計画」の枠組みの下、手を緩めることなく本格的な歳出改革に取り組むとともに、施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化するとされています。
 具体的には、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に引き続き万全を期す中で、雇用の確保と事業の継続、生活の下支えのため重点的・効果的な支援策を講じ、国民の命と暮らしを守り抜き、成長分野への民間需要を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金所得の拡大を通じた経済の好循環の実現。更には、全世代型社会保障改革を進めるとともに、グリーン、デジタル、地方活性化、子ども・子育てへの予算の重点化を進めるための「新たな成長推進枠」の措置がなされております。
 ポイントとなる言葉は、1.新型コロナ対策 2.成長と分配の好循環 3.新しい資本主義です。

3.令和4年度市政運営の基本方針

 本市の財政状況は、経常収支比率は依然として高い水準にあるものの、人件費抑制や施設の統廃合、滞納整理強化などの行財政改革の取り組みの成果により、財政健全化判断比率は改善してきており、他の類似団体と比較しても遜色なく良好です。
 令和4年度一般会計の収支見通しは、歳入で人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響等を受けるものの、市税などの収入は一定程度の確保を見込んでおり、歳出では、社会保障関係費や、道路・橋梁などの社会資本の長寿命化や維持管理、防災・減災・国土強靭化に要する費用の増大により、厳しい状況を見込んでいます。
 そのような中にあっても、市町村間の競争時代を生き抜くには、必要な投資を適切な時期に集中させる必要があります。
 限られた財源を最大限、有効活用することを基本として、事務事業の効率的かつ効果的な支出並びに行政経営への民間活力導入による財政健全化に努めるとともに、デジタル、Society5.0(ソサエティー5.0)、SDGs(エスディージーズ)など、今後、社会の鍵となる成長分野や、市の将来を担う子どもたちに関する分野には、手を緩めることなく注力して参ります。
 私の三期目の公約のひとつである、給食費の無料化や教育施設の整備、道の駅不知火の再整備は、まさに、この集中と投資の最たるものと自覚しております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による家計への負担軽減と、冷え込んだ市内経済並びに事業者への支援策として、経済対策も実施します。
 繰り返しになりますが、目指すのは、「住んで良かった」「住みたい」と思えるまちです。この実現に向け、本年度も精一杯、皆様と共に取組を進めてまいります。

4.令和4年度重点施策

(1)「再生・発展する」まちづくり

熊本地震発災から約6年が経過しようとしている現在、市民生活を最優先とした復旧・復興は一区切りを迎えました。令和4年度は、老朽化と共に被災した庁舎を、より市民の利便性が高い庁舎へと生まれ変わらせるよう、大規模改修を進めてまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症による様々な影響を緩和するため、引き続き生活基盤、社会基盤への支援を継続してまいります。
 具体的には、

  • 本庁舎大規模改修事業費
  • 中小企業利子補給補助金
  • 令和3年度から繰越を行う第3弾プレミアム付き商品券事業費

    などを計上しております。

(2)「育てる」まちづくり

 近年、子どもの育ちの変化の社会的背景として、少子化や核家族化、情報化などの経済社会の急激な変化を受けて人々の価値観や生活様式が多様化している一方で、社会の傾向としては、人間関係の希薄化や地域社会のコミュニティー意識の衰退、大人優先の社会風潮などの状況が見られるとの指摘がなされています。
 子どもは「地域の宝」であり、市の将来を担う大切な人財です。
 子育て・教育の支援制度・環境・施設の充実は、定住人口の増加にもつながることから、「子育てするなら宇城市」を念頭に、継続して取り組んでまいります。
 具体的には、

  • 保育所等の施設整備事業費
  • 保育所等の副食費無償化事業費
  • 子ども子育てに関する総合的な拠点施設整備費
  • 三角松橋間の地域公共交通減便の代替として三角地域小・中学校スクールバス購入費
  • 不知火小学校、小川中学校建て替え事業費
  • 松橋中学校建て替え設計費

    などを計上しております。

(3)「住み続ける」まちづくり

 宇城市に暮らす皆様に、「住みやすさ」を感じていただくには、医療・福祉の充実は不可欠です。医療、健康、福祉は、将来にわたって住み続けるための重要な要素であることから、目に見える形でより充実させてまいります。
 さらに、令和4年に入り再び爆発的に感染が拡大している新型コロナウイルスに対するワクチン接種を急ぎます。
 具体的には、

  • 結婚新生活支援事業費
  • さしより野菜推進事業費
  • 新型コロナウイルスワクチン接種事業費

    などを計上しております。


 加えて、宇城市民病院の在り方について検討委員会に諮問していたところ、1月20日「現在の経営形態での存続は困難であり、民間への譲渡が最も適切である。」との答申がなされました。
 答申で指摘を受けた存続困難な理由は、大きく次の3点でした。

  • 常勤医師の確保が困難であること
  • それにより、公立病院としての役割を果たすことが難しいこと
  • 医業収益が悪化し、改善が見込めない状況にあること

     これを受け、市としての方針を協議した結果、地域医療を守るため、病院を持続させるためには民間譲渡やむなしとの苦渋の決断をしました。病院職員については、今後すぐに個々に意向確認を行い、市職員として引き継ぐこととします。

(4)「持続する」まちづくり

 「消滅可能性都市」という言葉があります。日本創生会議が平成26年に公表した言葉で、「少子化や人口移動などが原因で、行政や社会保障の維持、雇用の確保などが困難になるとみられる自治体」を指します。
 力強い産業、好循環する経済、高度な都市機能、高い災害対応力など、ひとが住み続け、まちが存続するためには、これらは必要不可欠です。もちろん、行政運営が持続することが大前提となります。
 そこで、引き続き行財政改革とともに、業務改革、意識改革に取り組むとともに、産業の振興、農業の再生、都市機能の充実、災害対応力の強化に取り組んでまいります。
 具体的には、

  • 公共施設の民営化関連費
  • 農林漁業の機能保全事業費
  • 国営緊急農地再編整備事業費
  • 小川駅西口整備事業費
  • 市道大野川リバーサイドロード線整備事業費
  • 雨水ポンプ場整備事業費

    などを計上しております。

(5)「選ばれる」まちづくり

 宇城市は地理的・社会的な環境に恵まれ、他の自治体と比べ生活の利便性が整っているにも関わらず、残念ながら人口は減少しています。市外からの移住・定住者から、住んでみたい、住んで良かったと評価されるよう、宇城市の知名度・注目度を上げ、ブランド力向上のため、シティプロモーション事業を継続するとともに、市民と行政が一体となってまちづくりに取り組み、魅力あふれる都市を目指して環境整備を続けて参ります。
 また、移住・定住だけでなく、企業からも「選ばれる」自治体となるよう、今まで以上に企業誘致にも取り組んでまいります。
具体的には、

  • シティプロモーション事業費
  • 企業誘致関係補助金

    などを計上しております。

(6)「活躍する」まちづくり

 一人ひとりが、仕事や社会、地域で生き生きと過ごすことができることは、好循環を生み、ひいては市の活性化に繋がります。そのためには、すべての男性と女性がお互いを対等なパートナーとして認め、人権を尊重し、ともに協力するまちづくりが必要です。市、市民、事業者などがワーク・ライフ・バランスへの配慮や働き方改革に努め、皆が子育てをしやすい環境整備を推進するとともに、女性が活躍し、より働きやすい環境づくりを目指して参ります。
 加えて、余暇の充実も重要な要素です。余暇を有意義に過ごすことは、生活に潤いを与え、明日への活力の原動力となります。来たる4月には、いよいよ生まれ変わった中央図書館・美術館がオープンします。また、スポーツ面では、先ほどの行政報告で申しましたとおり、フォレストリーヴズ熊本と連携協定を締結しました。この二つを新たな軸として加え、文化・スポーツ活動の振興・充実を進めて参ります。
 具体的には、

  • 男女共同参画社会関係費
  • 働き方改革関係費
  • 図書館・美術館指定管理業務委託費
  • 松橋総合体育文化センター大規模改修事業費
  • 岡岳グラウンド照明取り替え費
  • 豊野小学校体育館改修費

    などを計上しております。

おわりに

 新型コロナウイルス感染症により、社会活動の在り様、仕事の様態、日常の過ごし方など、私たちを取り巻く環境は大きく変容しています。
 自治体においても、人口減少や超少子高齢化などの問題を抱え、運営はますます厳しさを増しております。
 行政改革や民間活力の導入、職員数の削減など、どれをとっても判断に迷う局面が多々あり、時には断腸の思いで決断しております。
 今後も、市の財政収支の見通しは楽観できる状況にはありませんが、市の持続的発展のため、市民ニーズの的確な把握・分析により、重点事業をはじめ、特に取り組みを強化すべき施策を大胆かつ慎重に推進して参ります。
 そのためにも、引き続き行財政改革を進めてまいります。
 改めて、市民の皆様並びに市議会議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

          令和4年2月15日

                                 宇城市長 守田憲史

お問い合わせ

宇城市 総務部 総務課 秘書係

電話番号:
0964-32-1798

追加情報:アクセシビリティチェック

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