2024年04月16日更新
市立松合郷土資料館では、熊本県立宇土高等学校科学部地学班の協力を得て、『知らない(しらぬい)現象を科学する~宇土高科学部2018-2024~』と題したパネル展示を行っています。
不知火(しらぬい)とは、旧暦8月1日「八朔(はっさく)」の夜間に八代海上に現れる不思議な光のことです。
八代海は別名不知火海とも呼ばれ、古くは『日本書紀』に「(誰も)知らぬ火」として不知火が登場します。
不知火現象発生の海域や、不知火の観望地である永尾剱(えいのおつるぎ)神社などは「不知火及び水島」として、国の名勝にも指定されています。
松合郷土資料館は八代海に面し、永尾剱神社も所在する不知火町にあり、今回は不知火ゆかりの地で展示することができました。
昭和63年に撮影された不知火現象の画像
数々の科学賞を受けた宇土高校の「不知火研究」
宇土高校科学部地学班では、7年前から「不知火現象」の研究を行っています。
特殊な気象条件下で起こる蜃気楼(しんきろう)現象の一種とされる不知火ですが、その詳細は未だ解明されていない部分もあり、1990年代前半以降は研究も途絶えていました。
そうした中、不知火の現地調査や再現実験などをくり返し、世代を超えて継続してきた宇土高校の研究成果は、賞を受けるなど各所から高い評価を受けており、メディアでも取り上げられています。
松合郷土資料館で展示されているパネルは、実際に科学賞を受賞したポスター発表を、一般向けに書き改めたものです。
宇土高等学校科学部地学班受賞歴
- 日本物理学会ジュニアセッション「最優秀賞」、「リガク賞」
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会熊本大会ポスター(パネル)部門「最優秀賞」
- 熊本県科学研究物展示会(科学展)「熊本県知事賞」
- 熊本県高等学校生徒理科研究発表会サイエンスコンテスト地学部門「最優秀賞」
- 日本地質学会ジュニアセッション「優秀賞」
- 全国高等学校総合文化祭「自然科学部門」ポスター(パネル)発表「文化庁長官賞」
- 日本地球惑星科学連合2023年大会高校生によるポスター発表「奨励賞」
- 第8回全国ユース環境活動発表大会九州・沖縄地方大会「優秀賞」
- 日本学生科学賞「熊本県最優秀賞」
開催概要
入館無料
期間 令和6年4月2日(火曜日)から9月29日(日曜日)
場所 松合郷土資料館
時間 10時から17時
休館 月曜日・木曜日(祝日の場合は翌日)