2024年08月22日更新
償却資産とは
固定資産税は土地や家屋のほかに、会社や個人で事業を営むために所有している構築物、機械、器具、備品などの資産(償却資産)についても課税の対象となります。
償却資産は土地や家屋のように不動産登記簿等での把握が困難なことから、地方税法の規定により、償却資産の所有者は資産の所在する市町村長に、毎年1月1日現在の資産の状況(資産の種類・取得価額・取得時期・耐用年数)をその年の1月31日までに申告しなければなりません。
ここでいう申告とは、固定資産税に係る償却資産の申告であり、確定申告とは全く別の手続きになります。
取得価額が10万円未満または耐用年数が1年未満の償却資産は原則として課税されません。また、同一人の所有する償却資産の課税標準額の合計が150万円未満である場合には課税されませんが、市町村への申告は必要です。
国税との主な違い
項目 | 固定資産税(償却資産)の取扱い | 国税(法人税・所得税)の取扱い |
---|---|---|
償却資産の期間 |
賦課期日制度 (1月1日時点の所有資産) |
事業年度 |
減価償却の方法 |
一般の資産は定率法を適用 法人税法等の旧定率法で用いる減価率と同様 |
建物以外の一般の資産は、定率法・定額法の選択制 |
前年中の新規取得資産 | 半年償却(2分の1) | 月割償却 |
圧縮記帳の制度(注1) |
制度なし (元々の取得価額で申告) |
制度あり |
特別償却・割増償却 |
制度無し |
制度あり |
増加資産 | 制度あり | 制度あり |
評価額の最低限度(注2) | 取得価額の100分の5 | 備忘価額(1円) |
改良費 (資本的支出) |
区分評価(改良を加えられた資産と改良費を区分して評価) | 原則区分評価(一部合算も可) |
(注1) 固定資産税では圧縮記帳の制度がありませんので、元々の取得価額で申告してください。
例:200万円のビニールハウスを100万円の補助を受けて購入した場合、申告する額は本来の額である200万円となります。
(注2) 償却が終わっていても償却資産(固定資産税)では課税対象です。申告書には元々の取得価額を記載してください。
償却資産の種類と具体例
-
申告対象となる主な償却資産(種類別)
資産の種類 | 主な償却資産の例示 | |
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1.構築物 | 構築物 | 門、塀、舗装路面、屋外排水溝、庭園、緑化施設等の外構工事、広告塔、橋、畦畔、暗渠排水工事、ビニールハウスなど |
建築付属設備 | 受変電設備、家屋所有者と異なる賃借人が店舗等に施工した内装・造作など | |
2.機械及び装置 | 各種製造加工機械、工作機械、印刷機械、ブルドーザー・パワーショベル、クレーン等の建設機械に該当する大型特殊自動車(ナンバープレートの分類番号が「0」「00から09及び000から099」)、農業機械、機械式駐車設備、太陽光発電設備など | |
3.船舶 | 釣り舟、漁船、ボート、作業船、遊覧船、砂利採取船など | |
4.航空機 | 飛行機、ヘリコプター、グライダーなど | |
5.車両及び運搬具 | フォークリフトなどの運搬車(自動車税・軽自動車税の課税対象となるものは除く) | |
6.工具、器具及び備品 | 机、椅子、応接セット、テレビ、コピー機、冷蔵庫、エアコン、パソコン、陳列ケース、レジスター、ネオンサイン、医療機器、理容・美容機器、厨房機器、遊戯器具、自動販売機、各種工具など |
- 申告対象となる主な償却資産(業種別)
共通 | パソコン、コピー機、エアコン、応接セット、キャビネット、看板、広告 塔、内部造作、簡易間仕切り、舗装路面、緑化施設等の外構工事、 駐車場設備、門、塀、外灯、LAN 設備、受変電設備、太陽光発電設備など |
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農業 | ビニールハウス、畦畔、井戸、選別機、動噴、乾燥機, 籾摺り機、暗渠工事など |
漁業 | 漁船、巻上機、漁網、いけす、のり乾燥機など |
製造業 | 各種製造加工機械、受変電設備、給排水設備、旋盤、プレス機、金型、測定・検査工具、構内舗装、工場緑化施設など |
建設業 | 大型特殊自動車(ブルドーザー、パワーショベル、フォークリフトなど) |
飲食業 | テーブル、椅子、厨房設備、冷凍冷蔵庫、カラオケ機器、ルームエアコンなど |
小売業 | 陳列ケース(冷凍・冷蔵機付を含む)、レジスター、自動販売機、舗装路面など |
理容・美容業 | 理・美容機器、理・美容椅子、消毒殺菌設備、サインポールなど |
医療業 | 医療機器(レントゲン装置、手術機器、歯科診療ユニット、ファイバースコープ心電計など)、ベッドなど |
不動産貸付業 | 緑化施設等の外構工事、舗装路面、門、塀、受変電設備、駐輪場、 太陽光発電など |
売電 | 太陽光発電設備、受変電施設、蓄電設備、送電設備、フェンス、舗装路面など |
ガソリンスタンド | ガソリン計量機、洗車機、独立キャノピー、地下タンク、構内舗装など |
太陽光発電設備について
太陽光発電の種類(住宅用、事業用)に関係なく、また、損金算入の有無にかかわらず事業で使用していれば申告が必要です。
設置者 |
全量売電 (10キロワット以上) |
余剰売電 (発電出力を問わない) |
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個人 (住宅用) |
申告対象 収益を得ることを目的としているため、事業用資産となります。 |
申告対象外 個人利用を主な目的とした資産であるため、事業用資産に該当しません。 |
個人 (事業用) |
申告対象 個人の方であっても、自らが居住する住宅以外の建物や発電設備用の土地に設置した発電設備は、事業用資産となります。 |
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法人 |
申告対象 店舗、アパート、農業など、事業のために設置した発電設備は、事業用資産となります。 |
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なお、この太陽光発電については特例に該当する場合があります。下記を参考にされ、特例申告にあたっては、償却資産申告書に「固定資産税(償却資産)課税標準の特例適用申告書」と必要書類を添付してください。
取得時期 | 特例の対象となる資産 | 添付書類 |
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平成24年5月29日から 平成28年3月31日までに 取得 |
固定買い取り制度の認定を 受けた再生可能エネルギー 発電設備。ただし、住宅等太陽光発電(低圧かつ10キロ ワット未満を除く)。 |
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平成28年4月1日から 令和2年3月31日までに 取得 |
再生可能エネルギー事業者 支援事業費交付決定を受けて 取得した自家消費型太陽光 発電設備 (注3) |
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令和2年4月1日から 令和6年3月31日までに 取得 |
再生可能エネルギー事業者 (発電出力により特例率が異なります) |
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(注3) 固定買取制度の認定を受けて取得された太陽光発電設備を除きます。
評価の仕組み
償却資産の評価は、償却資産の取得年月、取得価額及び耐用年数に基づき、申告していただいた資産について一品ごとに賦課期日(1月1日)現在の評価額を算出します。
平成20年度分より、算出した評価額の合計が決定価格となります。
平成19年度分以前につきましては、算出した評価額の合計と、法人税法又は所得税法の規定による減価償却額等の計算の基礎となる価額(理論帳簿価額)の合計を比べ、高い方が決定価格となります。
課税標準の特例の適用を受ける場合は、適用後の額が課税標準額となります。適用がない場合は、決定価格がそのまま課税標準額となります。
課税標準額に1.4%を乗じると、税額になります。
前年中に取得した資産 (取得月にかかわらず半年分を償却します) |
前年前に取得した資産 |
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r:耐用年数に応ずる減価率
課税標準の特例について
一定の要件を満たす場合、固定資産税課税標準の特例の適用を受けることができます。特例の申告については必要書類を添付のうえ「固定資産税(償却資産)課税標準の特例適用申告書 (PDF 92KB)」のご提出をお願いします。
関連ファイル
- 償却資産Q&A
- 資料1 償却資産Q&A (PDF 645KB)
- 償却資産申告の手引
- 資料2 令和6年度償却資産申告の手引 (PDF 4,925KB)
- 償却資産申告書様式
- 資料3 償却資産申告書(白紙) (PDF 51KB)
- 種類別明細書(増加・全資産)
- 資料4 種類別明細書(増加・全資産) (PDF 164KB)
- 種類別明細書(減少資産)
- 資料5 種類別明細書(減少資産) (PDF 122KB)
- 宇城市での事業を廃業・廃止した場合
廃業・廃止届(償却資産) (Excel 35KB)
廃業・廃止届(償却資産) (PDF 38KB)