2022年02月18日更新
自転車保険に加入しましょう
自転車保険は、自転車利用者が自転車での事故などの有事に備え、補償対象も様々です。
熊本県では、自転車による交通事故防止を目的に「熊本県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の改正で、令和3年10月1日から、すべての事業者・学校・保護者に自転車保険(自転車損害賠償保険等)への加入の義務が課せられます。
中でも、自転車損害賠償保険は、自転車での交通事故が発生した場合、加害者を高額賠償から救済する保険制度です。平成25年には、自転車乗用中に歩行者と衝突した当時小学生の加害者・保護者に対し、9,000万円以上の賠償命令が出されました(下図参照)。
被害内容 | 支払命令額 | 事故概要 | 判決 |
---|---|---|---|
後遺障害 | 約9,500万円 |
男子小学生と歩行者が正面衝突。被害者は意識不明状態。 |
平成25年 7月4日 神戸地裁 |
後遺障害 |
約9,200万円 |
自転車と自転車の衝突。 被害者は重大な障害が残った。 |
平成20年
6月5日 東京地裁 |
死亡 |
約6,700万円 |
自転車が横断歩行中の歩行者と衝突。 被害者は3日後に死亡。 |
平成15年
9月30日 東京地裁 |
死亡 |
約5,400万円 |
信号表示を守らず、横断歩行中の歩行者と衝突。 被害者は11日後に死亡。 |
平成19年
4月11日 東京地裁 |
後遺障害 |
約5,000万円 |
携帯電話を使用する自転車が、横断歩行中の歩行者と衝突。 被害者は重大な障害が残った。 |
平成17年 11月25日 横浜地裁 |
死亡 | 約4,700万円 |
信号表示を守らず、横断歩行中の歩行者と衝突。 被害者は5日後に死亡。 |
平成26年 1月28日 東京地裁 |
交通事故による加害者となることは、運転手に限らず、自分自身・家族が加害者となることは誰にも予測できません。万が一、交通事故に巻き込まれた際に備えて、自転車を正しく安全に利用しましょう。
自転車保険について
自転車保険には、それぞれの保険で内容に違いがありますが、簡単に加入できるものとしてTSマーク付帯保険があります。
TSマークとは、自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもので、このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いています。
※「TS」は、TRAFFIC SAFETY(交通安全)の頭文字をとったものです。
TSマークは下のようなマークのある「自転車安全整備店」で購入または点検整備を行い、基準に合格すると自転車に貼付されます。
TSマークの有効期間は1年間です。一年ごとの点検整備と更新をしましょう。TSマーク貼付の手数料は店舗によって異なりますので、ご確認をお願いします。
青色TSマーク(第一種TSマーク)
- 傷害補償
死亡・重度後遺障害…30万円、入院15日以上…1万円
- 賠償責任補償
死亡・重度後遺障害(限度額)…1,000万円
赤色TSマーク(第二種TSマーク)
- 傷害補償
死亡・重度後遺障害…100万円、入院15日以上…10万円
- 賠償責任補償
死亡・重度後遺障害(限度額)…1億円(平成29年10月1日貼付分から)
- 被害者見舞金
シールが貼付された自転車による事故で入院15日以上のけがをさせた相手方に10万円が支払われます。
詳しくは下記「公益財団法人 日本運転管理技術協会」でご確認ください。または、お近くの自転車整備店にお問い合わせください。また、各保険事業社に自転車保険の内容を確認してみましょう。
自転車保険に加入し、自転車を安全・安心に利用しましょう。