2022年06月02日更新
簡易専用水道とは
中高層のビルやマンション等の共同住宅で水道水を使用する場合には、通常の水道水圧だけでは3階以上に安定して水を供給できないことから、市の水道水から供給される水だけを水源として、その水を受水槽にため、ポンプで屋上等に設置した高置水槽に揚水(直接ポンプで給水するものもある)して、各階に給水する水道で、受水槽の有効容量の合計10立方メートルを超えるものを簡易専用水道といいます。
ただし、事業用、消防用に設置しているなど、全く飲み水として使用しない場合や、船舶、航空機などに設置されるものは、簡易専用水道には該当しません。
また、地下水(井戸水)を揚水して居住者または1日最大給水量20立方メートル以上を給水する場合は、「専用水道」として、別の規制を受けることがあります。
有効容量とは、受水槽において適正に利用可能な容量であって、水槽の最高水位と最低水位との間に貯留される水量をいう。
施設を設置するときは
次の各号に掲げる事項に該当したときは、速やかに市に届け出て下さい。
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簡易専用水道を設置したとき。(様式第1号)
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届出事項の内容を変更したとき。(様式第2号)
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簡易専用水道を休(廃)止したとき。(様式第3号)
届出書の記載事項に不備があると認められる場合は、必要に応じ、現地の調査若しくは関係書類の提出を求めることがあります。
施設の管理は
設置者は、給水する水の安全衛生を確保するため、次の事項を遵守すること。
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受水槽その他の水槽の掃除を1年以内ごとに1回定期的に行うこと。この水槽の掃除については、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号。以下「ビル管理法」という。)により県知事の登録を受けた者を出来るだけ活用すること。
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水槽の亀裂等によって有害物、汚水等の混入がないように毎月1回水槽の点検を行い、欠陥を発見したときは、速やかに改善の措置を講ずること。
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給水栓における水の色、濁り、臭い・味等の外観に注意し、異常があると認められるときには、水質検査を実施し、必要な措置を講ずること。
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給水栓における遊離残留塩素を必要に応じ測定し、0.1mg/ℓ(結合残留塩素の場合は0.4mg/ℓ)以上保持するよう努めること。
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給水する人が人の健康を害する恐れがあることを知ったときには、直ちに給水を停止し、その旨を利用者等に周知徹底させること。
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前各項の管理状況を記録する帳簿を備え、保存すること。
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設置者自らが管理を行わない場合は、当該簡易専用水道の管理を担当させるための「管理者」を選任し、適正な管理が行われるようにすること。
施設の管理状況の検査は
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設置者は、当該簡易専用水道の管理について1年以内ごとに1回、定期的に厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)の検査を受けること。
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検査項目は、原則として、簡易専用水道に係る施設及びその管理の状態に関する検査、給水栓における水質の検査及び書類の整理等に関する検査とする。
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簡易専用水道に係る施設及びその管理の状態に関する検査。
ア.水槽その他当該専用水道に係る施設の中に汚水等の衛生上有害なものが混入するおそれの有無についての検査。
イ.水槽及びその周辺の清潔の保持についての検査。
ウ.水槽内における沈積物、浮遊物質等の異常な物の有無についての検査。
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給水栓における水質の検査。
ア.臭気、味、色及び濁りに関する検査。
イ.残留塩素に関する検査。
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書類の管理等に関する検査。
ア.簡易専用水道の設備の配置及び系統を明らかにした図面の整理及び保存の状況に関する検査。
イ.受水槽の周囲の構造物の配置を明らかにする平面図の整理及び保存の状況に関する検査。
ウ.水槽の掃除の記録の検査。
エ.その他の管理についての記録の検査。
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通気管:防虫網が破損していませんか?
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マンホール:施錠がされていますか?
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貯水槽内部:十分な吐水口空間
・水に濁りはありませんか?
・壁・底が汚れていませんか?
・異物の混入はありませんか?
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貯水槽外部:亀裂があり水漏れしていませんか?
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水抜管:十分な排水口空間
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オーバーフロー管:管端部の防虫網が破損していませんか?
・十分な排水口空間
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末端蛇口:水の色、濁り、臭い、味等に注意
関係法定の抜粋
水道法
〔用語の定義〕
第3条第7項
「簡易専用水道」とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。
〔簡易専用水道〕
第34条の2
簡易専用水道の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。
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簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、厚生労働省令の定めるところにより、定期に、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。
水道法施行令
〔簡易専用水道の適用除外の基準〕
第2条
法第3条第7項ただし書きに規定する政令で定める基準は、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が10立方メートルであることとする。
水道法施行規則
第4章 簡易専用水道
〔管理基準〕
第55条
法第33条の2第1項に規定する厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げるものとする。
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水槽の掃除を1年以内ごとに1回、定期に、行うこと。
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水槽の点検等有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。
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給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により給水する水に異常を認めたときは、水質基準に関する省令の表の上欄に掲げる事項のうち必要なものについて検査を行うこと。
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給水する人が人の健康を害する恐れがあることを知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること。
〔検査〕
第56条
法第34条の2第2項の規定による検査は、1年以内ごとに1回とする。
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検査の方法その他必要な事項については、厚生労働大臣が定めるところによる。