2025年08月21日更新
7月14日、JICA海外協力隊グローカルプログラム実習生の竹村風力(たけむらふくお)さんと橋本泰知(はしもとやすとも)さんの2人がキャリア教育の一環として、青海小学校の5年生と6年生を対象に、出前授業を開催しました。この出前授業は、前年度から実施しており、青海小学校では2回目の開催となります。JICA海外協力隊とは、政府が行っている国際協力の一環として、現地の人々の自立を助けることを目的に活動されている、世界中の発展途上国に派遣されるボランティアのことです。
実習生の2人は、海外への派遣を前に、国内の地域活性化や地方創生を体験するグローカルプログラムとして、三角町戸馳の有限会社宮川洋蘭と株式会社イノPを拠点に実習しています。このプログラムが終了した後は、国内で3か月間の語学訓練を行ったのち、竹村さんはベリーズへ、橋本さんはケニアへ派遣される予定です。
今回の授業は「好きなことから世界へ」をテーマに進められました。
(授業の冒頭の様子。左側が橋本さん、右側が竹村さん)
授業の前半では、今まで2人が訪れた国々と日本の違いについて、クイズ形式で説明がありました。海外の主食や気候、交通機関などをテーマに出題され、海外の電車は時間通りに来ないこと、日本のアニメが世界でも大人気なことなど子どもたちは初めて聞く話に興味津々でした。中でも、ケニアの夏は日本より涼しく、冬は長袖で過ごせるということを知った子どもたちは非常に驚いた様子でした。
後半では、2人がなぜ協力隊に応募したのかについて話がありました。
橋本さんは、幼少期にサッカー選手になりたいと思い大学時代までサッカーを続けていました。その中で小学校時代に世界大会出場、中学校時代にはブラジルへサッカー留学、高校時代には憧れの選手であるメッシの試合をバルセロナで観戦するなど、サッカーを通じて世界とつながっていきました。しかし、大学時代にサッカー選手の夢を断念。目標を見失った橋本さんは、自身を見つめ直すため、半年かけてアフリカをリュック一つで横断。その中で現地の人たちと交流を深めていきました。この経験を経て、世界中の恵まれない子供たちを笑顔にしたいと思うようになり、今回JICA海外協力隊に応募しました。農業×マーケティングをテーマに、コミュニティ開発の活動を行う予定です。
(橋本さんの授業の様子)
竹村さんは、幼少期に出会ったドリトル先生の絵本がきっかけで動物に興味を持ち、小学校高学年になる頃には動物保護に関して関心を持つようになりました。そして高校生の時、国際ボランティアとして、メキシコでヒメウミガメの保護活動を行いました。この経験を経て、動物保護への思いが益々強くなり、今回JICA海外協力隊に応募し、環境教育として、ベリーズに派遣されることになりました。環境教育とは、発展途上国の持続可能な開発と環境保護を促進するための取り組みの一環として行われている活動です。
(竹村さんの授業の様子)
最後のまとめとして、2人から好きなことを全力で取り組むことで、知識や技術以外にも努力の仕方や困難の乗り越え方などが身につき、可能性や視野が広がるとの話がありました。2人が話している間、子どもたちは話に聞き入り、目がキラキラ輝いていました。
(河野さんが2人にお礼を伝えている様子)
最後に、6年生の河野武尊(かわのほたか)さんから子どもたちを代表して、2人に御礼の言葉と「自分が好きなことをあきらめずに尽くしていきたい。」との感想が述べられました。そのほかの子どもたちからも「海外への関心が深まった。」や「好きなことを全力で取り組んできたい。」などの感想が寄せられ、この出前授業からたくさんの刺激を受けた様子でした。