2022年01月28日更新
熊本県博物館ネットワークセンター多目的広場は、平成13年まで県運転免許試験場として利用されていましたが、それより前は、「御野立(おのだち)運動公園」と呼ばれ住民に親しまれていました。
「御野立」の由来は、明治天皇が御在位の際に御野立ちされたことによるもので、今も博物館ネットワークセンターの敷地にその碑が残っています。
松橋町史には、「運転免許試験場のあるところは、明治35年10月陸軍特別大演習の際、その総監のため明治天皇が御野立ちされたところであり、その後これを記念して郡公園となり、郡小学校の連合大運動会や郡青年会の連合運動会等が毎年行われていた。」と記述されています。
その運動公園であった名残から、当時を知る地域住民の間では今でも、「多目的広場」のことを「御野立公園」と呼んでいます。
そこで、先般、県に対し地域の諸団体から「多目的広場」の名称を昔から愛着のある「御野立運動公園」にしてほしいという要望活動がスタート。市からも県に要望した結果、理解と協力が得られ、令和3年3月に「御野立運動公園」という通称が与えられました。
この要望活動に立ち上がった松橋町の河野宗夫(かわのむねお)さん(85)は「子どもの頃からお花見やスポーツなどさまざまなイベントがこの御野立公園で行われ、親しみ深い場所です。若い人たちにもこの名前を語り継ぎながら、歴史を大切にしていきたいですね。」と思いを込めていました。