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第31回 いっしょに遊んだことをおぼえていたい ー前編ー 2021年(令和3年)4月号

2022年03月27日更新

第31回 いっしょに遊んだことをおぼえていたい ー前編ー 2021年(令和3年)4月号


 ふれ愛学習会のバスの中、「本田せんせー、こっち来てぇっ!」と小1のAちゃんの手招き。顔の半分もあるマスクの上の瞳がいたずらっぽく笑ってます。「あのね、Bくんがね、わたしにけっこんしてって」。二つ先のシートでその声を聞いたBくん。ギョッと振り返り指を口に当て、「しいーっ、しいーっ」。(そんなプライベートな会話をと思いつつ)「それで何て返事したの?」と尋ねると、「あのね、Bくんは6番目なの」。思わず大笑いしてしまいました。ごめんBくん。子どもたちといると、楽しいお話がいっぱい。
 
――でも、こんな失敗もありました。 昼休みの教室。3年生が腹ばいになって絵を描いています。にぎやかな会話がふと途切れ、あきなさんが視線を上げて首をかしげます。私は彼女が一人になったとき、話し掛けました。


『わたしはお父さんと、はなればなれでくらしているけど、みんなはいっしょにくらしているからいいなと思いました。まみちゃんが、「お父さんのかお、見たことある?」と言ったので、わたしは、「あるよ」と言いました。そしたら、ゆりちゃんが、「わたしは、いつもお父さんのかお見てるよ」と言ったので、わたしは何て言っていいのか、わらなくなりました。お父さんの名前は知っていたけどわすれてしまいました。本当は家ぞくみんなの名前をおぼえたいです。』翌日の日記でした。


 本当はお父さんのことをいっぱい話したい、そんな思いが伝わってきます。


 言葉を詰まらせてしまうあきなさんに元気を出させたい。そう思い、力を借りるため、私は日記を持って家庭訪問をしました。お母さんとおばあちゃんと話している間、あきなさんはじっと聞いていました。
 翌朝学校に行くと、あきなさんは、「何でお母さんに見せたつね!」と私を責めました。強い立場にある者が、その人の利益のためだとして、本人の意思は問わずに介入・干渉してしまう。それはやってはいけないことでした。

(次号後編第32回 いっしょに遊んだことをおぼえていたい ー後編ー 2021年(令和3年)5月号へ続く)

 

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