JICA海外協力隊三角小学校で出前授業開催
12月13日、三角小学校の5年生(計34人)を対象に、JICA海外協力隊グローカルプログラム実習生の藤原愛佳(ふじはらあいか)さんが出前授業を開催しました。現在まで、市では藤原さんを含め計6人の実習生を受け入れていますが、今回の出前授業は、9月までの実習生(松尾さん、宮脇さん)が青海小学校での開催に続き、2回目の開催です。
藤原さんは、海外への派遣前に国内の地域活性化や地方創生を体験するグローカルプログラムとして、三角町戸馳島の有限会社宮川洋蘭と株式会社イノPを拠点に活動しています。このプログラムが終了した後は、国内で3か月間語学訓練を行ったのち、タイに派遣される予定です。派遣先のタイでは、自身が持つ理学療法士の資格を生かし、障がいがある子どもの運動のサポートや指導を行います。
授業は、まず藤原さんの自己紹介から始まり、授業の前半はクイズやグループでの活動を織り交ぜながら、JICA海外協力隊のこと、派遣先のタイのこと、理学療法士についての説明がありました。後半では、良い姿勢を学び遊びながらできるトレーニングを実践しました。
授業の前半では、JICA海外協力隊の仕事について、「様々なスキルを持った日本人が、外国の人とできることを一緒に考えお手伝いをする。」という説明がありました。藤原さんがJICA海外協力隊になりたいと思ったのは、「発展途上国のことをもっと知りたい。自分ができることを世界に伝えられる。」との理由でした。また、発展途上国に興味を持ったのは、小学校のときのユニセフ募金がきっかけでした。
授業冒頭の自己紹介の様子。写真中央、藤原さん。
次に、派遣先のタイについての説明がありました。タイと日本の大きな違いとして、生息する動物に違いがあり、ゾウが街中を歩いているという話には、子どもたちは驚きの声をあげていました。説明の後には、「みんなでタイ語を話そう」ということで、あいさつや自己紹介の仕方を練習しました。ちなみに、タイ語は男女で言葉が違うそうです。子どもたちは練習したタイ語を、グループに分かれてお互いに披露しました。
タイ語の練習をしている様子
前半の最後では、理学療法士についての説明がありました。理学療法士の仕事とは、簡単にいうと「リハビリの先生」で、病気や障がいがある人と遊びながら運動をする仕事です。藤原さんが、理学療法士を志したきっかけは、「病気の人たちが元気になる」仕事で、「生活を楽しくサポートしたい。誰かの人生を楽しくしたい。」と思いからです。その、理学療法士の知識を生かし、子どもたちに良い姿勢の仕方と大切さを伝えました。子どもたちは互いに良い姿勢ができているかチェックしたり、意識したりしていました。
良い姿勢を実践している様子
後半は、「遊びながらできるトレーニング」をテーマに、2つのトレーニングを実践しました。1つ目が「紙コップタワー」で、8個の紙コップを使って、どれだけ高く積み上げられるかを考えて、実行に移すというゲームです。このゲームにはルールがあり、「必ず1人1回はコップに触る」というもので、誰か1人だけの意見や1人だけで積み上げるのではなく、みんなで協力することが大事ということです。
1回目は、1グループでの活動でしたが、2回目は3グループになり、紙コップの数は24個に増えました。どのグループもみんなで意見を出し合いながら、どれだけ高く積み上げることができるかグループごとに知恵を出し合っていました。
紙コップタワー活動の様子
2つ目のトレーニングは、「雑巾鬼ごっこ」でした。雑巾がけは、全身を使うので体幹が鍛えられるトレーニングになるそうです。最初は、雑巾がけに抵抗があった子どもたちも、鬼ごっこが始まると大盛り上がりで雑巾がけに夢中になっていました。
雑巾鬼ごっこの様子
最後のまとめでは、藤原さんから子どもたちに「遊びは勉強の1つ。遊ぶときは全力で楽しんでください。遊びの心を忘れないで。」とのメッセージが送られました。子どもたちは、授業時間の間、終始興味深く、藤原さんの話を聞いていました。学びと遊びの両方を体験できた授業になりました。
授業の最後に藤原さんから「タイに行ってもオンラインで会ってくれますか?」との質問に、子どもたちは「はい!」と元気よく答えてくれました。次は、オンラインで2か国を繋いでの再会になりそうです。