2023年04月17日更新
竹崎の六地蔵幢は松橋町竹崎に所在しています。
この六地蔵幢には文明12年(1480年)の銘があり、六角形の幢体(とうたい)に地蔵尊六体が浮き彫りされています。
高さ2.2メートルで、下から基台、竿石(さおいし:1辺45センチメートルの六角柱)、蓮華座(れんげざ)、幢体(六角柱の短柱)、笠石、宝珠で構成されています。竿石の北面には3行に分けた銘文が見られます。
右行「現世安穏・後世善処・敬白」
中央「大菩薩捶尊形・大願主元洞建」
左行「寔文明十二年天庚子八月・壇那白」(は判読不能 壇那は資金後援者の意味)
六地蔵幢は、六体の地蔵が、六道(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)を輪廻転生するすべての生きものを救うとする説から生まれた信仰によるもので、室町時代に多く造られました。
文明12年は、応仁の乱を受けた戦国の世であり、人心は荒れていました。このようなことから、来世への無常観を抱いた人々の間に、急速に六地蔵信仰が普及しました。
竹崎の六地蔵塔