2023年04月17日更新
木像十一面観音立像は小川町中小野に所在しており、長谷寺(ちょうこくじ)跡の祠堂(しどう)に安置されています。
この観音像は鎌倉時代後半の作と推定されており、もとは長谷寺の本尊として祀られていたものです。観音像の像高は1.3メートルで、桧材による檀像(注1)様彫刻の寄木造りです。髪と眼と唇に彩色が施されています。写実的な表情や複雑に折り返された裳など、鎌倉時代の特徴がよく見られる観音菩薩像です。
十一面観音は、頭上に10の顔を持ち、深い慈悲により衆生からの一切の苦しみを抜き去る功徳を施すとされています。
地元の人々には「おばせの観音さん」と呼ばれ、親しまれています。
(注1)檀像(だんぞう)・・・・白檀(びゃくだん)や栴檀(せんだん)などの香木を彫刻した仏像
木像十一面観音立像