2023年04月17日更新
竹崎季長絵詞は、宮内庁所蔵の国宝である蒙古襲来絵詞の模本で、竹崎季長の菩提寺である塔福寺(小川町東海東)に所蔵されています。
模本の元となった蒙古襲来絵詞は、鎌倉時代後期に、肥後国の御家人(鎌倉幕府に仕えた武士)である竹崎季長が、元寇の際の文永・弘安の役における自身の奮戦や、鎌倉での恩賞拝領(おんしょうはいりょう)などの様子を描かせた絵巻です。上下2巻の絵巻物で、宮内庁に献上され、現在は三の丸尚蔵館に収蔵されています。
塔福寺に収蔵されている竹崎季長絵詞は、約40点確認されている模本のひとつで、「塔福寺本」とも呼ばれています。江戸時代中期の寛政5年から9年(1793年から1797年)頃に描かれたものとされており、作者は不明です。絵詞は3巻に分かれており、蒙古襲来絵詞に見られる詞書(ことばがき)が書かれおらず、絵のみの模本です。
絵詞には、武具甲冑や馬具などが細部に至るまで写実的に描かれており、蒙古襲来時の戦闘の様子などを具体的に知ることができる資料となっています。
竹崎季長絵詞