2023年04月17日更新
塚原古墳第一号は不知火町高良に所在しており、塚原丘陵の標高65メートルの場所に立地する装飾古墳です。
墳丘はほとんど流失しており、石室のみが露出しています。石室の周辺にわずかに残る堆土(たいど)と石室外観の高さから、直径約7メートル、高さ約3メートルあまりの円墳であろうと推定されます。
石室は横穴式石室であり、石材には宇土半島において産出する安山岩が使われています。石室の全長は約4.3メートルで、死者を埋葬する玄室(げんしつ)の長さが約2.5メートル、幅が約1.6メートルです。床面から側壁上部までの高さは1.6メートルですが、平成28年熊本地震で石材が崩落し、その状態で現状維持されています。
石室内には、天井石と玄室側壁、羨道(注)の壁に線刻で装飾が施されています。
この古墳は、石室の形状から6世紀末から7世紀初頭の年代に築造されたと考えられます。
(注)羨道(せんどう)・・・・横穴式石室と外部を結ぶ通路部分
露出している石室