2023年04月17日更新
鴨籠橋は不知火町長崎に所在しており、浦上川中流の鴨籠地区にある石橋です。
明治期に地元住民が主体となって架橋しましたが、高欄(こうらん)がなく橋幅も狭かったため、昭和26年(1951年)に再度住民が海東村の石工に依頼し拡幅されました。
明治期架橋(下流側)の石材には、宇土市網津町で採掘される阿蘇溶結凝灰岩、通称馬門石(まかどいし)が用いられ、昭和期架橋(上流側)の石材には安山岩が用いられています。
2基の石橋が、一体として現役で機能している例はほとんどなく、貴重な例です。
平成28年地震によって被災し、令和3年に復旧されました。復旧工事の際の調査により、馬門石の石材は水門等の他用途に使用されていたものを転用したことなどが分かりました。
法量
形状 石造アーチ橋(眼鏡橋)
石材 阿蘇溶結凝灰岩(馬門石)、安山岩
規模 橋長5.7メートル 橋幅1.82メートル 橋高2.5メートル
径間(けいかん)2.5メートル 拱矢(きょうし:基礎から要石(注1)の下側までの距離)1.0メートル
(注1)要石(かなめいし)・・・・輪石のアーチ部の最後部の部材
鴨籠橋
輪石(右:馬門石 左:安山岩)