2023年04月17日更新
松合橋は不知火町松合に所在しており、文政3年(1820年)に架橋された石橋です。
火事が多かった松合地区においては、家屋同士の間隔を広くし、延焼を防ぐ目的として、江戸時代末期に埋め立てによる土地の拡張が行われました。松合橋は、その埋立地である屋敷新地と川で隔てられた元の松合集落を結ぶ橋で、現在も集落の主要道として利用されています。
この石橋の特徴は、基礎石(凝灰岩)、輪石(馬門石:宇土市網津町で産出されるピンク色の阿蘇溶結凝灰岩)、壁石(安山岩)で石材を使い分けている点で、これほど明白に使い分けられた例は、県下でも数少ないものです。
また、海岸に面した立地から、橋面幅に対して基礎幅を広げる、いわゆる裾広がりの安定形にすることで、潮の干満による水圧の増加に備えるといった工夫が施されています。
法量
形状 石造アーチ橋(眼鏡橋)
石材 基礎石(凝灰岩) 輪石(阿蘇溶結凝灰岩(馬門石)、安山岩) 壁石(安山岩)
規模 橋長8.4メートル 橋幅3.9メートル 橋高3.35メートル
径間(けいかん)6.75メートル 拱矢(きょうし:基礎から要石(注1)の下側までの距離)1.98メートル
(注1)要石(かなめいし)・・・・輪石のアーチ部の最後部の部材
松合(眼鏡)橋
輪石に用いられている馬門石