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第36回 太鼓づくりのお話_ 2021年(令和3年)9月号

2022年03月27日更新

第36回 太鼓づくりのお話_ 2021年(令和3年)9月号

  ドドンド、ドンッドンッドンッ!今日は中学生と雨ごい太鼓体験。左右のバチが叩くリズムは決められていて、これがなかなか。しかも左手が言うことを聞いてくれない。「中学生はもうできましたよ」と指導する田口名人の声に、ちょっと…いや、かなり悔しい。でも太鼓って叩き出すと止まりません。


 さて、その太鼓を作るお話です。目の前で太鼓の皮を張りながら、話してくださったのは宮内礼治(れいじ)さん。鹿児島で和太鼓の製造販売をされています。枠のリングに半乾きの牛皮を合わせ、上下左右と紐ひもで締めながら語りが始まります。ある日、宮内さんに太鼓作りについて考えさせられる出来事が起こります。


 店の入り口で子どもたちがのぞいています。宮内さんが招き入れると、「わあすごい!」と興奮する子どもたち。一人が「それは?」と筒状の物を指さすので、「乾燥させた牛の皮だよ」と教えると、「ええっ、牛の…。牛さんは何と言ったの?」と驚く子どもたちに宮内さんは言葉を失います。子どもたちが去った後、答えられなかった場面を反芻すうしながら、宮内さんはその答えを探します。


 「『牛を殺して太鼓を作ってるの?』というのは、小さな小さな『ケガレ意識』かもしれない。太鼓を作る仕事はそんな意識から差別されたこともあった。すごく悲しかったり、怒りが湧いたり。でも、この仕事には、それを包み込む技術がある。死んだ牛の皮を新たに生かす。生き物の命を『奪う』という言葉には悲しい響きがあるけれど、それを『頂きます』という形で大事に食べ、自分の体の一部となって生かされていく。太鼓作りも同じように、それを目にする形で生かしていく仕事です」

 

 父の背中を追って憧れの太鼓職人になったという宮内さんは九州各地で小学生から大人まで幅広い年齢層に「知らないことが誤解やうわさとなる、正しく知ることが大切」との思いで話されています。講話の最後に宮内さんがリングからはみ出た耳(皮) を取ると…トンッ、トンッ、トンッ。おおっ!軽やかな響きに一同思わず歓声がもれました。

 

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