2022年02月09日更新
第1回 「人権ばかり学んでいては、責任感や義務感が育たないのではないですか」 2018年(平成30年)10月号
以前、小学3年生・4年生とその保護者を対象に、子どもの人権を考えるNPO法人「くまもと子どもの人権テーブル」の協力を得て、いじめや見知らぬ人の暴力を未然に防ぐための「子どもへの暴行防止プログラム」を実施しました。
「安心・自信・自由」の3つの権利のどれかひとつでも侵されたとき、どう身を守るのかを寸劇で紹介。子どもたちも実演し、楽しみながら自分の権利について考えました。保護者からも大変好評でしたが、一度だけ「権利ばかり教えて、義務は教えないのか」という意見が出ました。「権利ばかり教えるからわがままになる」という意見は、他でもしばしば耳にします。
ここで子どもたちが学ぶ「権利」は「人権」ですが、それは本来「人が人である」という理由だけで保障されるべきものです。人権を認める代わりに何らかの義務を課されるということではありません。
人権学習は、「自分に重ねながら友だちの思いを聞き、互いの関係を深めていく中で、聞く者とての責任も明らかになっていく」ものです。だから、人権を学ぶことで子どもたちの責任感が強まることはあっても、わがままになることはないのです。
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