2022年03月27日更新
第15回 グレタ・トゥンベリさんと意見を表す権利~子どもの権利条約採択から30年~ 2019年(令和元年)12月号
9月23日、ニューヨークの国連本部で開かれた気候行動サミット。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの怒りの訴えは大きな反響を呼びましたね。
「私たちはあなたたちを見ている」
スピーチに立つグレタさんを迎える各国代表団の拍手に彼女はにらみつけるような視線を返し、温暖化対策の遅れを非難しました。
海に崩れ落ちる氷河、日本列島を繰り返し襲う大型台風、100年に一度と形容される豪雨。グレタさんの言葉は日本の私たちにも温暖化対策が待ったなしの人類の重要課題であることを突きつけました。
ところで、16歳のグレタさんが国連本部で居並ぶ各国の代表に向かってスピーチすることができたのはどうしてでしょうか。
戦後、国連で最初に生まれた「世界人権宣言」は、全ての人がどのような人権を持つか示した初めての宣言でした。
その後、国連や国際社会は宣言が目指す目標を国際的な法律である“条約”のかたちにして整えてきました。
その一つが「子どもの権利条約」です。この条約は1989年国連総会で採択され、現在日本を含め196の国と地域が参加しています。条約は18歳未満の子ども自身が権利を持つ主体と位置付け、大人と同じく一人の人間として権利があることを認めています。
「第12条 子どもは自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利を持っています」
国連本部はこの意見表明する権利を、グレタさんに、子どもの代表として行使させたのです。
地球温暖化は子どもにとってこそ切実な『自分に関係のあること』だとグレタさんは訴えました。私もできることから実行します。
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