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2021年5月26日

第25回 ふるさと 2020年(令和2年)10月号

  人吉市の災害ボランティアンターにバスが着いたのは朝の9時でした。事前に受け取ったボランティア活動要項を読み返します。「(1)思い出したくない災害時の状況については尋ねないでください。(2)かなり汚れていたり、壊れていたりしている品物であっても、被災者の方にとっては思い入れのある大切な品物です。廃棄するかどうかの確認をする際には、『洗ってとっておきましょうか』と尋ねるよう心掛け、『捨てていいですか』と尋ねないでください…」受け付けを終え、私たちのチームは再びバスに乗り込みました。
 

廃棄物が積み上げられた長い県道を抜け、バスは止まりました。そこからしばらく歩きます。稲の消えた田に軽トラックが埋まっています。近くの方が「ボートで救助に行こうとしたけど、助からんだった」と話されました。洪水で浮き上がり回転した民家の脇を抜け、作業現場に到着しました。

 私たちが担当する住宅は決壊した球磨川の堤防沿いにありました。都会からUターンして、故郷のこの地に夫婦で建てたという新居。柱に残る茶色の染みは背の高さを超えています。夫が亡き後1人で住んでいた女性はその日、入院していて明け方に襲った濁流から難を逃れられたそうです。
 床板を剝がし、汚泥をすくってバケツリレーで外へ。7月の猛暑の中、昼食をはさみ黙々と作業は続きます。床下のコンクリートが見えるようになった頃、終了の合図。 
 屋根と柱だけになった住居を前に、川面を渡ってくる風に吹かれていると、作業に立ち会われた家主の友人の方がお礼を言いに来られました。「(持ち主に)『ここにまた住む? どうするね』って聞いたら、『住む』て言うですもん。人吉の人間に球磨川を恨む者はおらんけんですねぇ」と話されました。

 川の向こうには、何もなかたかのように濃い緑に包まれた山々が青い空を背景に遠くまで見え、これが、夫婦で最後に過ごした大切なふるさとの風景なのだな、と思いを寄せながら帰途につきました。

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